発達障害傾向ですが、「営業」できました。

毎日ひとにキレられていた私が、「人間」らしいコミュニケーションを身に着け、「営業職」として働けるようになるまでの話と、試行錯誤の記録。

問題と対策4)適切な発言ができない(4)発達障害傾向を打ち明けてみる=「理解者」を作る

前の記事では、聞くに徹することで不用意な発言を防げた、というエピソードを紹介しました。

 

今回は、そういった直接の解決策ではありませんが、問題克服の支えになったことをお話したいと思います。それは、身近な人へのカミングアウトです。

 

 

 

 ■思い切って、「発達障害傾向です」と言ってみた

きっかけ

知能検査を受けた直後、私は自分の問題点を把握できたものの、一つ一つ周囲の信頼を取り戻す道のりは、恐ろしく長くなりそうでした。

 

一人で全て背負って行くのは、あまりにも辛いな・・・

 

そう思ったとき、心の重荷を下したい、誰かに打ち明けたいと思うようになりました。そこで、ある先輩に私の抱える問題を伝えることにしたのです。

 

同性の先輩に言ってみた

と言っても、わざわざ自分から機会を作ったわけではありません。ある日、たまたまどちらも残業が長引き、オフィスに二人きりになったのです。

 

その方は女性で、年齢は私の一回り上でした。普段から、何か揉め事があっても中立的な立場を取られることが多く、比較的話しかけやすい相手でした。

 

また、自分の起こしたトラブル(下記参照)にも直接巻き込んではいないので、私への敵対心もさほど強くないようでした。そういった点が、打ち明けやすかったのだと思います。 

katiefue.hatenablog.com

 

因みに、もし男性や後輩だったらどうかと言うと、ちょっと難しいかも知れません。というのも、男性と女性では職場でのポジションや価値観の相違が大きい場合があり、また後輩だと気を遣われて本音を言ってもらいにくいからです。

 

そういったこともあり、私にとっては「同性の先輩」が最も打ち明けやすい相手でした。

 

伝えるタイミング

残業も3時間を過ぎ、二人とも集中力が低下してきたのでしょう。どちらともなく雑談が始まり、話は自然と上記のトラブルの話になりました。

 

先輩は、私に「大変だったね」と労わる言葉を掛けて下さり、私は「あ、私を非難するつもりはないんだな」と思いました。そして、このタイミングを捉えて話をすることにしたのです。

 

知能検査を受けたこと。言語性IQと動作性IQの差が大きく、発達バランスが悪いこと。視覚情報の処理が苦手なため、相手の感情を読むのが苦手なこと。そして、そのせいでコミュニケーションが上手くできず、子供の頃から悩んでいること。

 

先輩は、うんうん、と聞いて下さり、「何か変なことを言ったときは教えてほしいです」と伝えると、「最初から、そういうのが苦手なんだなと思ってた。おかしいなと思ったら、その時は教えるね」と笑いながら言って下さいました。

 

この時、心がふっと軽くなったのを覚えています。

 

■効果:相手との距離が縮まった→安心感!

その後、先輩とは数年間一緒に仕事をしましたが、結局、言動を指導されたことはありませんでした。

 

これは、相手からのフィードバック(指導・助言)が得られなかったという点では、失敗という評価になるかと思います。

 

ただ、私にとっては、確実に成功だった点があります。それは、一つには相手との距離が縮まったことです。

 

距離が縮まる=味方ができる

問題を打ち明ける前は、先輩が私のことをどう思っているか、直接知ることはできませんでした。「何も言わないだけで、実は嫌われているのかも」などと恐れ、積極的に関われませんでした。

 

しかし、カミングアウトを受け入れてもらえたことで、少なくともこの先輩にはちゃんと話を聞いてもらえる、という自信がつきました。

 

言い換えるなら、今まで敵か味方か分からなかった相手が(本来こういった二元論は好きではないですが、敢えて言うなら)、味方だったんだと分かったということです。

 

安心感が、背中を押してくれる

そして、味方を得たことは、「私の抱える問題を知っている人がいる!」という安心感にもつながりました。

 

安心感は、直接の問題解決にはなりませんが、当事者にとっては大きな支えになると思います。

 

挫折しそうになっても、その辛さを吐き出せる場所がある。その場所を1つでも確保できている!その気持ちが、 試行錯誤に対し、前向きにさせてくれたような気がします。先輩には、今も感謝しています。

  

■参考になる本

なお、当ブログで何度かご紹介している『シーン別解決ブック』にも、この記事と論点は異なりますが、身近な人に自主的に困りごとを伝える重要性が書かれています(p.98-99)。

 

 

この箇所の要約としては、

 

・自分が大人になると、踏み込んで指導してくれる人は少なくなる。

・また、「やんわり」注意されても、アスペルガー症候群の人には理解しづらい。

・そのため、知らずに相手の心が離れていくこともある。

・それを防ぐためにも、自分から困りごとを伝えて、積極的にアドバイスをもらおう。

 

という内容です。すごく分かりやすいですね。

 

大人になると誰も言ってくれない、というのは、この本を読むまで気付きませんでした。逆に言うと、そういう点もあり、子供の頃に気付いてもらうことの重要性を感じさせられます。

 

 ■職場の上司に伝えるべきか?という問題

最後に、私自身でまだ答えが見つかっていない問題について書きます。それは、「職場の上司に伝えるべきかどうか」という問題です。

 

これは、身近な先輩に打ち明けるのとは少し違った、微妙な問題を含んでいると思います。

 

実は、私はまだ職場の上司に「こういう困りごとがあるからこう協力してほしい」という趣旨では、話をしたことがありません。

 

理由は、主に3つあります:

・診断書がないからという理由で却下される恐れがあること

発達障害やその傾向について純粋に知らない方がおり、「そういう"性格"の人は勝手に困ってろ。職場は面倒みられない」と撥ね付けられる恐れがあること

・その結果、職場での扱われ方に変化が生じる恐れがあること

 

ネットニュースの記事で、発達障害の女性が職場に自分の「取説」を共有した結果、仕事がスムーズに回るようになったという話を目にしました(どのサイトだったか忘れましたが)。

 

私自身、仕事の進行を妨げる様々な困難があるため、もしこういった行動が取れるなら、仕事がやりやすくなるかも知れません。

 

ただ、「発達障害傾向のある人間」という前提で入社していないため、途中から「実はそうでした」と伝えても、受け入れ側が困惑したり、場合によっては自分に不利になるのではとの懸念が強いです。

 

もし私のように、入社後に発達障害またはその傾向が分かり、職場に報告・配慮の依頼をされた経験のある方がいらっしゃるなら、その後の影響を教えて頂きたいです。コメント欄からご投稿ください。ぜひお願いします。