発達障害傾向ですが、「営業」できました。

毎日ひとにキレられていた私が、「人間」らしいコミュニケーションを身に着け、「営業職」として働けるようになるまでの話と、試行錯誤の記録。

問題と対策8)フラッシュバックとその対策~迫りくる恐怖~

昨日の「面接官にキレられた話」でも書きましたが、私は以前フラッシュバックに悩まされていました。
 
今日はその話をしたいと思います。
 

■フラッシュバックの恐怖!

フラッシュバックとは?

・定義

この言葉は、歌のタイトルなどでよく見かけるかもしれません。
 
一体何かというと、こういうことです。
強いトラウマ体験(心的外傷)を受けた場合に、後になってその記憶が、突然かつ非常に鮮明に思い出されたり、同様に夢に見たりする現象。 心的外傷後ストレス障害(PTSD)や急性ストレス障害の特徴的な症状のうちの1つである。*1

 
「鮮明に」というのがポイントで、私の場合、過去のその場にタイムスリップしたかのように、思い出すというより「再体験する」感じです。
 

・気付かなかった

ただ、過去に精神科には何度も掛かりましたが、「フラッシュバックで苦しんでます」と相談したことはありませんでした。
 
何故なら、これが治療を必要とする状態とは、知らなかったからです。
 
ようやく、フラッシュバックだと気付いたのは、このブログでたびたび紹介している司馬理英子さんの『大人の発達障害 シーン別解決ブック』がきっかけです。
アスペルガー症候群の人は、つらい、苦しい過去の経験を非常によく記憶している傾向があります。そして、それをときどき鮮やかに思い出し、以前と同じように感情が沸き起こり、心が激しく揺すぶられてしまうのです。(中略)もう何年も前のことなのに、記憶はいつまでも色あせることなく、ふいに襲いかかり、苦しめられてしまいます。*2
まさにこれ、私のことだ!と思い、驚きました。
 
本当に分かりやすく書いて下さり、助かります。
 

私のフラッシュバック歴

・発生しはじめ

思えば、この症状は高校生の頃から始まりました。
 
当時はまだ自分の問題にも無自覚でしたが、なぜか人と上手く関われない・自分をコントロールできないことに歯がゆさを感じていました。
 
そんな中、ある時から、恥をかいたり、怒られたりした記憶が脳内再生されるようになりました。
 
洗面所の鏡をにらみつけながら、振り払おうと「やめろー!」と叫んでた記憶があります(近所迷惑なので、必死で声は抑えてました)。

・発生頻度

発生頻度がどう変化したか、はっきり覚えていませんが、大学に入る頃には毎日起こっていました。
 
1日に、少なくとも3、4回は発生していたと思います。
 
そして、自分なりの対策を始めるまで、約15年間続きました。
 
今でも、週に1回程度、ふとした瞬間に現れそうになり、慌てて振り払うことがあります。
 
特に、疲れていると発生しやすい気がします。
 

ヤツは突然やってくる

・発生するタイミング

では、具体的にどんな時に発生するかというと、私の場合は圧倒的に「一人になった時」です。
 
特に、風呂やトイレが多いです。
 
恐らく、その空間には自分一人しかおらず、おのずと意識が自分自身に向かうからでは?と思います。
 

・お風呂が怖い!

結婚してからは、二人でいる時は会話ができ、意識が分散できます。こういった時は、フラッシュバックはほぼ起こりません。
 
しかし、風呂に入ると、ほぼ必ずフラッシュバックに襲われました。そのため、お風呂の時間が怖かったです。
 
そんな時は、必死で楽しい記憶を思い出すようにしていました。
 
ところが、そこから芋づる式に様々な記憶が掘り起こされ、いつの間にか仕事の場面になり、気付けば上司に叱責された場面がありありと蘇る…という地獄のパターンが常態化していました。
 
因みに、独身時代のマンションでは、なぜか風呂場にTVが付いており(ゴージャス!)、お陰で少し楽だった気がします。
 

・フラッシュバック時の状態

では、実際にフラッシュバックが起こるとどんな状態になるか、時系列で書いてみたいと思います。
 
  1. 恥をかいたり、傷つけられた記憶が突然脳内再生される
  2. 頭の中が恥ずかしさ・怒り・恐怖・逃れたい気持ちで支配される
  3. とにかく逃げたいので、声を出したり体を叩いたりして気を紛らわせる
  4. それでも、完全には嫌な記憶の影を振り払うことができない
  5. そのため、しばらくもがき苦しみ、疲れ果てる
  6. 一旦記憶が薄れ、一息つけるが、しばらくするとまた別の記憶が蘇る
  7. 1.~5.の繰り返し
 
3.のあたりは、他人に見られたら「危ない人」扱いされそうですね。
 
でも、飽くまで私の場合ですが、本当にこんな感じです。
 
結婚前に、主人に見られなくて本当によかったです(しみじみ)。
 

・逃れられない

さて、フラッシュバックで困るのは、「逃れるのが難しい」というところです。
 
例えば、嫌なTV番組なら、チャンネルを変えれば見ずに済みますよね。
 
ところが、フラッシュバックの場合、原因となる記憶は常に頭の中にあり、しかもいつ再生されるか分かりません。
 
きっかけがはっきりしている場合もあれば、そうでない場合もあります。
 
しかも、一旦発生すると、その記憶は脳内で再生されるので、目をつぶろうが耳を塞ごうが、見えない状態にはできないのです。
 
本当に、凶悪です。
 

■対策:小さいものを凝視する

「過集中」の特性を活かした

・WAIS-IIIで知った特性

こういった症状に悩まされる中、私はWAIS-IIIを受け、自分の特性を知ることになりました。
 
そして、特性の一つに「これは対策に使える!」とピンと来ました。
 
それは、「過集中」です。
 

・過集中が使える!

私が受診したクリニックでは、WAIS-IIIの結果とともに、自分の特性をかみ砕いて説明した文章を下さいました。
 
その文章で、「集中力が高すぎて、意識分散が苦手」という特性を指摘されたのです。
 
今まで、この特性は邪魔だと思っていましたが、逆に利用すればフラッシュバックから意識を逸らせることができるかも知れない!
 
こう思い、早速試してみたのです。
 

凝視してみた

そこで、私はこのような行動を取ってみました:
 
  • フラッシュバックの気配を感じたら、身近にあるごく小さなものを探す(例:壁のシミ、蛇口の水滴、部屋の隅のホコリ等)
  • それを、まず5秒間凝視する。
  • さらに、その物体のより細部に目をこらし、さらに5秒待つ(Google Earthでズームインしていくイメージ)
 
すると、もはや私の意識は「シミの細部を見る」という行為に集中し、すーっとフラッシュバックの陰が消えていったのです。
 
これはイケる!と思い、一人で盛り上がりました。
 
(因みに、主人に報告したら「意味不明」と言われました。)
 

現在は収まってます

この逆利用のお陰で、今ではフラッシュバックの影が近づいても、簡単に逃げられるようになりました。
 
そして、お風呂も億劫ではなくなり、疲労感も相当軽減されました。
 
もし別の方法で対処されている方があれば、是非教えて頂きたいです。
 
嫌な記憶自体、「あ~あんなことあったなぁ」と笑って流せるくらいになりたいです。
 

司馬さんの本にも対策あり

因みに、上述の司馬さんの本にも、対策方法が載っています(p.110-111)。
 
そこでは、「嫌なことがあったけど、それは過去のことだ」と紙に書いて読み返す方法や、カウンセリングにより客観視する方法が紹介されています。
 
Amazonで入手できる本ですので、もしよかったら参考になればと思います。
 
以上、フラッシュバックに悩まされたエピソードと、その対策でした。
 
 
 

*1:Wikipedia 

https://ja.wikipedia.org/wiki/フラッシュバック_(心理現象) 2018/2/21閲覧

*2:司馬理英子(2015)『大人の発達障害 シーン別解決ブック』主婦の友社 p.76