こんにちは、
皆さんは、「チック症状」という言葉を聞いたことがありますか?
自分の意思に反して顔や体が動いてしまい、やめられなくなる症状のことで、私は小学校の時に発症しました。
罹患率の正確なデータはないそうですが*1、もしかしたら身近な人が困っているかも知れません。
そこで、今回は私が経験したチック症状と、その背景について書いてみたいと思います。
チック症状
■どんな症状か
「日本小児神経学会」の解説*2では、具体的な症状として以下のものが挙げられています。
- 全体として :突発的、不規則に体の一部が動いたり、特定の音声を反復する
- 運動性のもの:まばたき・首をふる・顔をしかめる 等
- 音声性のもの:発声、せき、鼻をならす など
また、註1の「難病情報センター」のHPでは、このような解説もあります(抜粋、要約)。
- 5~6歳から発症しやすい
- ADHDや強迫神経症と併発しやすい
- 遺伝的要因が指摘されているが、原因は未解明
「遺伝的要因」とありますが、実は私のきょうだいにも同様の症状があります。ただ、私とは違い、大人になってから目立つようになりました。
■私の経験した症状
では、実際にどんな症状があったのか詳しく書いてみたいと思います。
私の場合、顕著だったのは「まばたき」と「咳払い」でした。
・まばたき
(まぶたに違和感が)
まず「まばたき」ですが、これは「本来必要ないのに、過剰にまばたきをしてしまう」というものです。
私は小学校に入ってすぐ、この症状に悩まされるようになりました。
体感としては、「
しかし、何度まばたきしても一向に違和感は解消されないため、際限なく繰り返してしまうのです。
そんなわけで、小学校1年の夏ごろには、周りが見て「おかしい」と思うレベルにまで悪化してしまいました。
(見かねた家族が眼科へ)
それを見かねた家族が眼科に連れて行ってくれたのですが、検査では何も異常なし。
そこで初めて、「チック症状」と診断されたのです。
ただ、その時は精神科を紹介されることもなく、「小学校に入り、環境が変わったストレスのせいでしょう」と言われ、様子を見るよう言われたのを覚えています。
それでも、その後1年ほどは同じ症状に悩まされました。周囲になじめず、ストレスが減るどころか増していったからだと思います。
・咳払い
また、ほぼ同時期に現れたのが、「咳払い」の症状です。
これは、「風邪でもないのに、頻繁に咳をしてしまう」というもの。
なぜ咳をするかと言うと、「喉に何かつっかえている感じがする」からです。
しかし、これもまばたき同様、本来なら意味のない行動。
もちろん、自分でも無意味なことは半分理解しているのですが、それでも喉の違和感はなかなか消えません。
そのため、この症状も半年ほど続いたように思います。
■原因
・ストレス
冒頭にも引用したように、こういった「チック症状」の原因は、まだ完全には解明されていません。
しかし、当時を振り返ると、やはり「精神的ストレス」が原因の一つだったのではと思います。というのも、以前も書きましたが、私は学校になじむことができず、毎日憂鬱だったからです。
blog.xn--katiefue-i64mq8yc0vjo7eeitdhns.com
・集団登校でのいじめ
また、当時は集団登校をしていたのですが、その時に他の子からいじめられていたことも影響していると思います。
「服が変」「髪型がおかしい」「鬱陶しい」と言われ、石を投げられたり、傘で叩かれたりすることもありました。
これが入学当初から続いており、しかも登校するグループを変えることはできなかったので、ひたすら耐えるしかありませんでした(この後、さらに酷いいじめ被害に遭うことになりますが、また別の記事で書きたいと思います)。
こういったことから、私の場合には「学校でのストレス」が強く影響していると思わざるを得ないのです。
■最後に
いかがだったでしょうか?
もしかしたら、身近な子供や周囲の人にも、こういった方がいるかもしれませんね。
なお私の場合、上に挙げた以外にも症状はありましたが、小学校高学年くらいでチック自体は収まりました。
とは言え、ストレスが緩和されたわけではありません。むしろ、新たに始まった「いじめ」被害により、「吃音」などの別の症状が出てくることになりました。
振り返ればつくづく心休まらぬ子供時代ですが、今もどこかに同じような境遇の子がいるはずです。そういった子を気に掛けられる人でありたいと、大人になった今は思います。
以上、「チック症状」についてでした。
*1:「トゥレット症候群」とも呼ぶそうです。
難病情報センター「トゥレット症候群(平成22年度)」http://www.nanbyou.or.jp/entry/856
2018/11/22閲覧
*2:Q60:チックの症状について教えてください。|一般社団法人 日本小児神経学会 2018/11/22閲覧