こんにちは、
「残業対策」シリーズでは、これまで段取りの苦手な人でも、定時までに仕事を終わらせるためのコツについて書いてきました。
しかし、実際のところ「段取りはできるけど、こまかい判断に迷って結局時間がかかる」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、今回は「判断に迷った時」にあなたを助けてくれる、とっておきのコツをご紹介します。それは、「3分考えて分からないことは、人に相談する」ということです。
<残業対策の全ステップ>
1)スケジュール作成のコツ
3)3分考えて答えが出ないことは、「すぐ」誰かに相談 ◀今日はココ
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「相談力」を磨けば、仕事が変わる!
■相談しよう!
「え、そんな単純なこと?」と思う方もいるでしょう。
「報告・連絡・相談(ほうれんそう)」という言葉があるとおり、相談は仕事人としての基本の「キ」。できて当然、と思われても仕方ありません。
しかし、実際にはできない方も多いもの。
入社したての新人や仕事を抱え込みがちな方は、相談ができないせいで時間を浪費しがちです。そんな人にこそ、ぜひこれからお伝えする相談スキルを身に着けてほしいのです。
■「相談力」を上げる4つのコツ
では、具体的なコツを4つご紹介します。
- 迷ったら、「3分以内」に相談!
- 状況を5W1Hのメモに書く
- 自分の意見を用意しておく
- 相手は上司か先輩
これをマスターすれば、あなたの「相談力」はグンと上がること間違いなし!
では、詳しく見ていきましょう。
1.迷ったら「3分以内」に相談!
(3分以上はムダ)
まず、悩んだら「3分以内」に誰かに相談するということ。これが何より大事です。
実のところ、それ以上悩んだって自力で解決などできません。
なぜなら、頭の中にまだ解決に必要な「記憶のストック」がないからです。
(知っていれば1秒以内に答えは出る)
詳しく説明しましょう。
ある仕事をどう処理するか考えるとき、過去の似たような事例から記憶を呼び起こすことになりますよね。
「こんな案件、前にもあったな。よし、これはこうすれば…」という具合です。
実は、この「記憶」について、「大抵の物事はたった150ミリ秒で思い出す」という研究があるのです*1。
つまり、既知の事柄であれば、1秒も掛からず判断できるということ。
逆に、それ以上掛かっても答えが浮かばないのであれば、「まだ引き出せる記憶のストックがない」、つまり「ノウハウがない」と考えてよいのです。
(3分以上だと仕事に支障が)
また、3分以上考え込んでしまうと仕事に支障が出るという問題もあります。
3分あれば、簡単なタスクが1つ片付きます。また、この
すると、いま悩んでいる仕事がどんどん後回しになりかねませんよね。
ビジネスの世界では、「たかが3分、されど3分」。従って、実務面を考慮しても、3分を上限にしたほうがいいのです。
2.状況を5W1Hのメモに書く
次に、相談する前に自分が置かれた状況をメモ書きすることも重要です。5W1Hで、詳しく箇条書きするのです。
これは何故かというと、正確な状況を伝え、相手に的確な判断を促すため。
(「いつ」「誰が」によって対応は変わる)
例えば、「クレーム処理」について相談するとしましょう。
ついクレームの内容だけに集中しがちですが、実は発生時期や場所も極めて大事。なぜなら、「いつ・どこで発生したのか」によって、取るべき対応が変わってくるからです。
「昨日」なら、すぐ顧客の元へ駆けつければいいでしょう。発生して間もないため、客先でのダメージも小さくて済みます。
しかし、これがもし「1週間前」だったらどうでしょうか?
こちらへの報告を保留している間に、顧客は別のサプライヤーに乗り換えているかも知れません。
また、小口顧客なら取引停止されても影響は少ないですが、大口顧客なら部署全体の売上を揺るがす大問題。営業担当一人の責任では済みません
従って、必ず事前に詳細なメモを作成し、相談に備えましょう。
3.「自分の意見」を用意しておく
(相手も忙しい)
また、人に相談する時は、「自分はどうしたいか」という意見も考えておきましょう。
というのも、相談された相手にとっては、他人の仕事を丸投げされても困るからです。
相手も自分の仕事に追われており、イチからアイデアを考える余裕はありません。
(責任を押し付けないためにも)
また、相手が上司ならまだしも、何の権限もない「いち先輩」であれば、その判断の責任を負いたがらない人もいるはずです。 その場合、相談に応じること自体渋られてしまうでしょう。
そのため、相談する際には
「XXXXXの案件は、○○○○○という方法で対応したいのですが、ご意見を聞かせて頂けませんか?」
という形で、必ず自分の意見も添えるようにしましょう。
そうすれば、相手も「自分は指示ではなく、助言をすればいいんだ」と気が楽になり、積極的にあなたのサポートをする気になるのです。
4.相手は「上司か先輩」
加えて、相談する相手は「上司」か「先輩」を選ぶようにしましょう。
なぜかと言うと、彼らは業務経験が長いため、様々な仕事の対応方法を熟知しているからです。
彼らはその会社で、いくつもの失敗やピンチを乗り越えてきています。そして、その分、仕事のノウハウを持っています。
一方、いくら話し掛けやすくても、同期にそこまでの知識を期待することはできません。相談するだけ時間のムダなのです。
そのため、相談する際には必ず上司・先輩のノウハウに頼りましょう。
■相談できない人もいる
しかし、実際のところ「そんなこと言われても、相談って苦手だなぁ…」と思っている方も多いのではないでしょうか?
仕事で相談できないのは、上述のようにとっても損なこと。しかし、悩んでいる本人も、それが何故なのかはっきり分からないケースもあるものです。
そこで、なぜ「相談できない」のか、大きく3つのケースに分けてご説明したいと思います。それが、こちらです。
- 入社したばかりの新人
- 抱え込みがちな人
- 集中傾向の強い人
■相談できない理由
・新人の場合
(判断に迷いがち)
まず「入社してすぐの新人」の場合から見ていきましょう。
こういう人達は、当然会社の業務に不慣れです。
そのため、「"些末な仕事"と"重要な仕事"の見分けがつかない」せいで、仕事上の判断に迷うケースが発生しがちです。
(遠慮しがち)
しかし、新人は何かと先輩や上司に遠慮しがちなうえ、当の先輩・上司も彼らのことを常に気に掛けてはいられません。
本来なら、悩む様子に気付いて「どうしたの?」とフォローするのが理想的なのですが、それほど周囲もヒマではないのです。
そのため、なかなか誰にも声を掛けられず、悶々としたまま時間だけが過ぎていくことになってしまいます。
・抱え込みがちな人の場合
また、何かと一人で抱え込んでしまう人がいますよね。こういった方も、「相談」が苦手です。
前の会社に、 #残業 どころか休日出勤が普通…って人がいた。
— Katie_Fue_0131 (@0131KatieFue) 2018年11月23日
机は書類の山。
1案件に何日も悩むから、仕事が回らない。
曰く「上司に相談したいけど、タイミングが分からない」と。
そう…「報・連・相」とは言うものの、誰も相談の仕方は教えてくれないのだ。#発達障害 https://t.co/mfRzDjtgfV
何故かと言うと、「周囲に配慮しすぎるあまり、誰にも声が掛けられない」からです。
「あの人、いますごく忙しそう…声を掛けたら、邪魔してしまうよなぁ」
「うわぁ、険しい表情だ…きっと怒ってるに違いない。今は相談できないな」
と、相手を過度に気遣ってしまうのです。
すると、自分には重すぎる課題でも、「何とか誰にも相談せず対処しよう」という気持ちが働きます。
その結果、重要な判断を誤ってしまい、大変なミスに繋がりかねないのです。
・集中傾向の強い人の場合
加えて、集中傾向の強い方も、相談がしづらい傾向にあります。
それは、「自分で問題解決する」というプロセスそのものに没頭してしまいやすいからです。
このタイプは、いったん何かに熱中すると「自分の世界」に入ってしまいます。
すると、冷静な時なら「他人に相談する」という発想がすぐ浮かぶはずなのに、それがゴッソリ抜け落ちてしまうのです。
そして、気付いた時には1時間経っていた…という流れに陥りがちです。
そのため、こういった方々も、意識して「相談する」というスキルを身に着けることが、非常に大事になってくるのです。
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いかがだったでしょうか?
一人で悩むのは、時間も労力ももったいないこと。
それが原因で残業してしまえば、疲労でさらに判断力が鈍り、負のスパイラルに陥りかねません。
だからこそ、分からないことは適宜「他の人のノウハウ」に頼って乗り切りたいものですね。
以上、「相談のコツ」でした。
*1:2018/11/22閲覧。
実験によって、人が記憶を呼び起こすのに必要な時間は約150ミリ秒という結果が出たそうです。