こんにちは、
前回は、タスクを時間配分どおりに終えるための「ストップウォッチによる時間管理法」についてお伝えしました。
今回は、その次のステップとして、予定どおりにタスクを終えられなかった場合の対策について書きたいと思います。
<残業対策の全ステップ>
1)スケジュール作成のコツ
- 全ての仕事 に「優先順位」をつける
- 仕事を「タスク」に分解する
- タスクに「目標処理時間」を設定する
- タスクに時間配分する
- タスクの処理時間を測定
- 予定超過したら原因を考え、対策を取る ◀今日はココ
- 今後やる仕事も予定に組み込む
- 自分だけの予定表を活用
2)隙間時間を活用
3)3分考えて答えが出ないことは、「すぐ」誰かに相談
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無駄はどこにあるのか?徹底捜査!
■予定どおりにタスクが終わらなかったら、原因を考え、対策を取る
タスクの「目標時間」を設定し、その時間内に終わらせようとはするものの、なぜか2倍も3倍も時間が掛かってしまう…
これはとてもショックなことですが、しかし大抵の人はこういう状態に陥ってしまうものです。
しかし、ここでめげてはいけません。この「理想と現実のギャップ」を直視し、それに対して「どう改善するか」を考えることこそが、さらなる仕事効率化への第一歩なのです。
そこで、そもそもどういったことが仕事の進行を妨げているのか、踏み込んで考えてみましょう。
■予定遂行を阻む「落とし穴」
「なんでこんなに、時間が掛かってしまうんだろう…」
そう思った時、ぜひ振り返ってほしいことがあります。
それは、次の3点です。
- メールに時間を掛け過ぎていないか?
- 段取りせずに仕事していないか?
- 人との会話で時間を取られてはいないか?
では、1つずつ見ていきましょう。
・メールにハマる
(気付けば30分も使っている)
まず1つ目は、「メールに時間をかけ過ぎてしまう」ということです。
営業担当であれば、毎日顧客から数十件の問い合わせが来るのは普通のことです。また、事務職であっても、よほど暇でない限りはほぼ同様と考えていいでしょう。
大量のメールを処理しなければならないのに、1件に何十分も使っていては、いつまで経っても仕事は終らない。これは、当然のことですよね。
(対策1:メールの「定型文」化で時短)
そこで、ぜひやってみてほしい対策を、2つご紹介したいと思います。
1つ目は「メールの定型文化」です。
Gmailの場合、「定型文をあらかじめ保存しておき、使いたい時に取り出せる」という機能があります。
とくに「引き合い対応」など、毎日似たようなメールを何通も送る場合に絶大な効果を発揮してくれます。
これを使えば、内容にもよりますが、所要時間は大体3分の1くらいに短縮できます。
それに、「タイプミス」を防げるという効果もあるのです。
忙しい人ほど、使わない手はありません。
設定方法も非常に簡単ですので(gmailなら「メール作成」→「返信定型文」で使えます)、是非いちどトライしてみて下さい。
(対策2:思い切って「電話」する)
また、「メールで書こうとするから逆に時間が掛かってしまう」ということも、実は多いもの。
こんな時は、「まず電話をする」というのも1つの方法です。
例えば、クレーム対応や、複雑な利害が絡む案件など、メールでどう表現すれば誤解なく伝わるか悩む時がありますよね。
「こんな風に書いたら、相手の感情を
「相手に言質をとられ、不利になるかも…」
などと考えていると、それこそ時間ばかり経過し、結局何もできずにその日が終わってしまいます。
そんな時間の浪費は、百害あって一利なし。
「あの人、対応遅いな」と、逆に印象を悪くしてしまう場合さえあります。
それを防ぐためにも、悩む前にまず電話することをオススメするのです。
なお、電話をしただけでは「やり取りの証拠」が残りません。そのため、話がひと段落したら必ず「結論・確認のメール」を送ることが必要です。
これがないと、後で「言った・言わない」問題に発展することもありますから、十分に注意しましょう。
・「段取り」を考えずに突っ走る
(段取りがないと行き詰まる)
次に業務が滞る原因として、「段取りを考えずに突っ走ってしまう」ということが挙げられます。
これは、最初に仕事の設計図(段取り)を考えず、手当たり次第に着手してしまい途中で行き詰まる、というものです。
例えば、
- タスクに取り掛かったものの、そもそも仕事の期限について上司の指示があやふや
- 相手の希望内容に不明な点が見つかり、再度確認しなければならない
などが上げられます。
もちろん、仕事をタスクに分解するステップを踏むことで、こういった問題は大部分防ぐことが可能です。
しかし、そのタスクの中身が複数のステップに分かれている場合、こういうことが起こってしまうのです。
(「二度手間」防止のステップ)
これを防ぐため、下記のような対策が考えられます。
- まず段取りを考える(5W1H)
- 段取りする中で疑問な点・不明点がないか確認する
- タスクに着手する前に、こういった点をつぶしておく
かなりタスクが済んでしまってからの二度手間は、後戻りしにくいことも多く、非常に厄介です。
特に、外部業者などと提携している案件だと、コトが大きくなってしまうこともしばしば…気を付けましょう。
・人と話し過ぎ、話を聞き過ぎ
(相談に行ってドツボにはまる)
また、人に相談に行ってつい話し込んでしまったり、相手の話がなかなか終わらないケースも要注意です。
特に、相手が「何度も同じ話をする」タイプだと、ほぼこのパターンにはまると言っていいでしょう。
とりわけ「聴覚情報の処理が苦手な人」の場合、理解が追いつかなくなり、混乱してしまいます。すると、自分も同じ質問を何度もすることになり、とても非効率になってしまうのです。
(自分から結論を言って逃げる)
そんな時に有効なのは、「自分から結論を言って逃げる」という方法です。
「ありがとうございます!(笑顔)では、この案件の対処法としては"○○○をするべきだ"ということですね。
たいへん勉強になりました!ありがとうございました(と言って一歩後ずさる)」
こんな風に、先に結論を言って「帰る雰囲気」を出してしまえば、大抵の人は
「あ、俺の言ったこと分かってくれたんだ。よかったよかった(満足)」
と解放してくれることが多いです。
(イライラを悟られないよう注意しよう)
ここで、発達障害傾向の人にとっては、1つ注意しなければならないことがあります。
それは、「思っていることが表情や仕草に出てしまい、イライラが相手に伝わってしまう」ということです。
例えば、
- 頻繁に時計に目をやってしまう
- 貧乏ゆすりをしてしまう
- 眉間に皺を寄せてしまう
などが挙げられます。
これらの仕草は、「イラついている」ということが露骨に伝わってしまうので危険です。そうなると、相手の態度も悪くなり、人間関係にヒビが入りかねません。
相談に来た自分に対してアドバイスをくれると言うことは、相手の善意の表れでもあります。その善意を尊重するため、「笑顔」を絶やさず、相手の目を見て対応するのがベストです。
どうしても我慢できない時は、「これは笑顔を作るための修行なんだ。有り難い」と考えるようにしましょう。
■改善策は、必ず次のタスクから実行!
いかがでしょうか?
業務の遂行を邪魔する要素が、意外とたくさんあることが分かりましたね。
しかし、「分かった」だけではまだ不十分です。
こうやって問題点を把握し、対策を考えたら、必ず次のタスクから実行してほしいのです。
どれだけ良い改善策を考えても、実行しなければ何もしないのと同じこと。したがって、改善点は必ずどこかにメモしておき、「二度と同じことを繰り返さない」という気持ちで、次のタスクに臨んでほしいのです。
頑張って下さいね!
では、次回は「一連のタスクを終えた後のスケジュール管理」について書く予定です。
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