今回は、パニックを予防する方法についてです。
以前、「想定外の事態でパニックになってしまう」という問題について書きました。
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そこでもいくつかの対策をご紹介しましたが、最近新たな方法でうまく行ったため、今回はそれについて書きたいと思います。
それは、「自分は今とても困っている」という事実を言語化することです。
本心を伝えてパニック回避
相手の言動が理解できず、上手く対応できない。
何を求められているのか必死に考えるが、答えが出ない。
こういった場面では、焦りのあまり感情の抑制がきかなくなりがちです。
そんな時、自分の状況(=状況が理解できず困っている)、つまり本音を伝えることで、焦りから開放されパニックを回避することができます。
では、詳しく見ていきましょう。
■本音の言語化
一般的に、ひとと上手くやっていくためには、本音はタブーだとされていますよね。
そのため、思ったことを包み隠さず言うことは、悪影響こそあれ何のメリットもないと思う方が多いでしょう。
しかし、本心を伝えることは、取りも直さず「理解不足」という事実を相手と共有できるということ。これには、下記のような効果があるのです:
- 困惑を言語化することで、頭の中を整理できる
- 相手に自分の状況を理解してもらうことで、手助けしてもらいやすくなる(より分りやすい説明など)
・言語化による情報整理
(パニックのメカニズム)
そもそも「パニック」はどのように発生するのでしょうか?私の体感では、このようなメカニズムになります:
- 相手の意図や、自分の置かれた状況が理解できない
- 理解できないまま、対応しようと焦る
- 「答えが出ない」↔「でも出さなきゃ」を行ったり来たり
- 脳が情報を処理しきれず、パニックに
パニック時の頭の中は、まるで散らかった机のよう。さまざまな情報が、未整理のまま雑然と押し寄せてきて、自分に答えを迫る。そんな、とても苦しい状況なのです。
(自分に自分を理解させる)
この発端は、「自分の置かれた状況が分からない」ということ。
言い換えると、「相手の意図を理解できていない」という自分の状態すら、理解できずにいるということです。
もし「分からない」と自覚できれば、その意思表示をして相手に助けを求められますよね。しかし、それができないので、あくまで自分の中だけで解決しようと焦り、結果キャパオーバーになってしまう。
これが、パニックの原因だと私は感じます。
これを防ぐためには、何より「自分に自分の状態を理解させる」ことが重要。
そのため、まずは「困っている事実」を言語化し、自分に向かって「私はいま困っている」と教えてあげるのです。
すると、自分を「じゃあどうしよう?」「あ、そっか!相手に助けを求めればいいんだ」という解決法に導くことができます。
これが、「言語化による情報整理」の意味なのです。
■実際にどう言えばいいのか
・具体例
とは言え、困っていることを伝えるには、なるべく角が立たないよう注意が必要です。
ただでさえ余裕がない状態なので、つい言い方がきつくなり、相手の反感を買うおそれがあるからです。
そのため、「相手の発言が理解できなかった時」を例として、波風を立てにくい伝え方をいくつかご紹介します(青字は身近な人に対する言い方)。
ポイントは、「あなたの説明が理解しづらい(=あなたが悪い)」ではなく、飽くまで「私が理解できない」と最初に伝えることです。
- 残念ながら、私の理解が追いつきません。恐れ入りますが、もう一度説明して頂けないでしょうか?
(ごめん、よく分からなかったんだけど、もう一度教えてもらってもいい?) - 私は○○だと理解していたのですが、違うのでしょうか?
(○○だと思ってたんだけど、もしかして間違ってる? - 理解が追いつかず恐縮ですが、それは××という意味でしょうか?
(ごめん、うまく理解できないんだけど、それって××ってことでいいのかな?)
・細かい部分は無視しても良い
ただ、相手から再度説明してもらったとしても、やはり分からない部分は出てくるかも知れません。
その時は、よほど重大なことでない限り、「結果的に自分にどんな影響があるか」だけを理解して、その他の細かい部分は無視しても大丈夫です。
例えば、
- 割引クーポンの適用条件
(結局、クーポンを使えるのか使えないのか) - 病院での治療の選択条件
(専門的な説明は理解できないが、私にとってそれぞれの治療法にどんなメリット・デメリットがあるのか)
などです。
・努力を手放すことも大事
全てを理解しようとすると、脳が疲れてしまうもの。そうなれば、理解するメリットよりも、疲労ダメージによるデメリットの方が上回ってしまいかねません。
そのため、時には自分を守るための手段として、「理解しようとする努力」を手放してもいいと私は思うのです。
以上、言語化でパニックを予防する方法でした。

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